コア歯科クリニック

お知らせ

高齢化に伴い増加する根面う蝕

歯がたくさん残ると歯周病も増えてきます。歯肉が退縮して歯根が露出することで根面う蝕や知覚過敏が増加する可能性があります。

歯周病治療が進み、歯肉がひきしまって根面が一気に露出するケースがあります。そうなると歯みがきの範囲が広がり、磨く部分の形も複雑になって、今までのセルフケアでは汚れを落としきれない場合も出てきます。また、口腔内の細菌叢の変化もあるため、根面う蝕の発生は今後さらに増えていきます。

通常のエナメル質う蝕と根面部に発生する象牙質う蝕では性質がかなり異なります。

エナメル質う蝕の場合は最初に白斑ができ小さい虫歯に進行します。根面う蝕では露出している部分全体の表面が少しずつ軟化していきます。発見が難しく、さらに痛みを訴えることも少ないため、意識して検査しないと対応が遅れてしまう可能性があります。

歯の接触部分直下や、被せ物詰物の辺縁直下だと処置や管理も難しく、進行度合いによっては結果的に抜歯になってしまうこともあります。

根面う蝕の場合、痛みをあまり感じないため、気づかない間に進行してしまい、ある日突然破折してしまったというケースも耳にします。また、高齢になると様々な理由で薬を服用されている方が多く、副作用で唾液の分泌が抑制され一気にう蝕が広がるということもあります。

服用されている薬の中には8割くらいに唾液を抑制する副作用があることがわかっています。口腔内の乾燥とう蝕の進行との関係までは医科ではあまり気にされていないようです。

治療が困難な根面う蝕何よりも予防が重要

根面う蝕は健康な象牙質との識別が難しく、さらに歯肉縁下に進行していることも多く、治療も難しいのです。やはり予防を優先すべきだと考えられます。
象牙質の場合、酸蝕と菌が産生する酸による脱灰が複合し、さらに薬の副作用によって唾液が抑制されると進行は早いです。歯科医院でチェックが必要です。


初診時の唾液検査でミュータンス菌とラクトバチラス菌を検出し、治療計画を立てるようにしましょう。う蝕があまり進行していなくてもフッ化物配合の歯磨剤などを使い、ブラッシングするうえで技術を要する部分はフッ素を塗布するなどのコントロールが必要です。

根面う蝕を効果的に予防するピロリドンカルボン酸

フッ化物をできるだけ口に中に残すために、ピロリドンカルボン酸(PCA)という成分が、根面う蝕を効果的に予防できることがわかってきました。

ピロリドンカルボン酸は露出した象牙質表面のコラーゲンをコーティングし、フッ化物を長く留めると考えられ、象牙質コラーゲンの分解抑制効果と象牙質の脱灰抑制効果を併せ持つことが明らかになってきたのです根面う蝕の予防に有効なフッ化物配合歯磨剤です。

歯科疾患予防に有効なフッ化物応用

歯が全身の健康に密接に関わっていることがいろいろな研究や調査で明らかになってきています。それを受けて平成23年に歯科口腔保健に関する法律が誕生しました。歯科疾患の予防法として科学的に証明されている手段は、フッ化物の使用などです。
歯磨剤にはフッ化物を配合したCheck Upシリーズなどを薦め、フッ化ナトリウム配合の洗口液も活用します。フッ化物塗布の高濃度の場合は3ヵ月もしくは半年に1回院内で行い、成人の患者さんで高リスクの方には洗口液をお薦めし、それ以外の方にもフッ化物配合の歯磨剤を使っていただきたいのです。

成人や高齢の方にもフッ化物配合歯磨剤が有効です。使用の際には、必要以上にうがいはしないこと。せっかくのフッ化物の多くが口の外に出てしまい効果が薄れます。ブラッシング中の吐き出しは極力控えることブラッシング終了後に1度吐き出して、その後のうがいは15mlの水で5秒くらいを1回行う、とされています。

ピロリドンカルボン酸を配合したフッ化物配合歯磨剤も低発泡性、低香味、研磨剤無配合なので同じように使っていただけると思います。また、うがいが1回ではどうしても嫌だという方には、空磨きで汚れを落とした後、フッ化物配合の歯磨剤やジェルを適量付けて歯全体に広げるダブルブラッシング法といった方法もあります。

フッ化物を有効に使用しましょう!

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