お知らせ
ご自身のお口の状態を知ることの大切さ
前回までは、食事やおやつの取り方によって、虫歯になってしまう事についてお話ししました。
今回はご自身のお口の中の状態を知ることについてです。
皆さんも健康診断を毎年受けられると思います。血液検査や尿検査、その他にも色んなことを調べますね。
なんと!だ液にも検査があるんです!
ミュータンス菌の量、だ液の量、緩衝能(酸性から戻る力)、ラクトバチラス菌の量の検査についてです。
ご自身の口腔状態を知ることで生活習慣を見直し、改善することで虫歯にあるリスクを減らすことができます!
う蝕原生細菌は約500種類あります。そのうちの一割が有害な菌と言われています。
ミュータンスレンサ球菌やラクトバチラス菌はその一種。
酸性環境に強い抵抗性を示し、自ら糖を摂取して酸を産生します。
むし歯を作り出す力がほかの菌よりも強いため う蝕原生細菌と呼ばれています。
ラクトバチラス菌はミュータンス菌によってむし歯になった部分を掘り進めていくスコップのような菌です。
唾液検査では、これらの菌の数を調べることができるんです!
①ミュータンス菌の量 : 専用のワックスを1分間噛んで頂き、口腔内の唾液や歯垢を利用し、48時間培養し測定します。
②だ液の量 : 専用のワックスを5分間噛んでいただき、その際に出てきだ液を採取します。
②唾液の緩衝能 : 採取しただ液を利用して測定します。その場ですぐにわかります。
④ラクトバチラス菌の量 : 採取しただ液を利用して測定します。96時間培養し、測定します。
ミュータンス菌の量
お口の中は健康な人でもたくさんの細菌が常在菌として存在します。
ミュータンス菌の数が多いとむし歯になるリスクが高くなります。
だ液の量でわかる事
だ液の分泌量が多いほど酸を洗い流しやすくなります。
少ないと、お口の粘膜の病気や虫歯のリスクが高くなり、口臭も強くなります。
お口の中が乾燥すると、食事がとりにくくなったり、お口の中がネバネバし、舌が乾いてヒリヒリする場合もあります。
だ液緩衝能
食べ物を食べたとき、お口の中の酸が急激に増加します。
だ液緩衝能とは、お口の中が元の状態に戻る早さのことで、お口の中に酸が長くとどまるほど虫歯になる危険性が高くなります。
ラクトバチラス菌の量
ミュータンス菌によってむし歯になった部分を掘り進めていくスコップのような菌です。
炭水化物や糖の摂取量と共に増加する傾向があり、進行した象牙質う蝕、不適合な詰め物被せ物、矯正装置周囲などに停滞しやすいです。
ただ検査をしただけでは何の効果もありません。
ご自身のお口の中の状態を知り、どのように改善していくべきかの対処が重要になります。
どのような食生活をしているか、炭水化物ばかりになっていないか、間食や飲み物はどうしているかなどを見直す必要があります。
食後のブラッシング、適切な歯ブラシや歯磨剤の使用、専門家によるフッ素塗布などが大切です。
正しいブラッシングをしっかりすることで、虫歯のリスクを減らすことができます。
だ液の分泌を促進する体操やマッサージもあります。
歯科衛生士がお一人お一人にご指導させていただきます!
2023.02.24